NGP協同組合では、2024年10月10・11日の2日間、香川県豊島にて環境保全・再生活動を行いました。第16回目となる今回は、前回に続き「岡山大学大学院環境生命科学研究科の嶋教授との産学連携による豊島植生回復活動」(※1)と、「オリーブ収穫」、「不法投棄現場見学」を主な活動として行いました。
今回は、組合員と本部職員の合計16名が参加しました。
「第16回 NGP香川県豊島 環境保全・再生活動」を行いました~岡山大学との第7回目の産学連携による植生回復活動~
2024年10月29日
●岡山大学との産学連携による植生回復活動
今回は、岡山大学が豊島の植生回復の研究をしている区画で、以前豊島の植生が根付いている土地から種子の混ざった土を運び入れ、研究区画に撒く「表土撒き出し法」を行った場所の雑草を刈る作業を行いました。撒いた土から小さい芽が生えてきているため、芽も刈ってしまわないように印をつけながら手作業で慎重に雑草を刈りました。
嶋教授によるレクチャー
作業前
作業後
また、不法投棄現場を見下ろせる展望台へ続く階段横の整備を行いました。階段横については今後も整備を続け、「見本園」として豊島に自生している植物を植えることを予定しています。
展望台に続く階段横の整備
作業前
作業後
作業前
作業後
嶋教授は、
「ここは不法投棄現場が見渡せる唯一の場所です。ここに見学に来る方たちが昔どうだったか、本来の豊島の植生がどうだったか看板や見本園を作って分かるようにしていきたい。その協力をNGPさんにお願いしたい。」と語っており、以前より本研究の成果が豊島の産業廃棄物不法投棄現場の植生回復の見本になれば、との想いで活動を続けています。
●オリーブ収穫
NGPでは、オリーブ収穫によるオリーブオイル等の販売収益が、瀬戸内オリーブ基金の活動資金になり、豊島での環境保全と3Rの大切さを後世に伝える活動に利用されることと、少子高齢化が進み人手が足りていない状況から、毎年収穫のお手伝いを実施し、豊島の持続可能な地域経済に寄与しています。
オリーブ収穫は今年で5回目となりましたが、今年は異例の暑さが続いたことにより実りがあまりよくなかったのですが、その中でも実の付きが良い複数の場所で2日間収穫を行い、参加者全員の協力により収穫量「58.95kg」を達成することができました。
●不法投棄現場見学
今回は、初参加のメンバーが2名で、「豊島事件」※2と活動の意義について正しく理解してもらうため、見学会を実施しました。
不法投棄を起こした業者の元事務所を活用した「豊島こころの資料館」では、廃棄物対策豊島住民会議の安岐事務局長より「豊島事件」の歴史や悲惨な状況、住民たちの壮絶な闘争の歴史、熱い思いを聞き、当時の写真や産廃(シュレッダーダスト)の剥ぎ取りを実際に見て、「豊島事件」と不法投棄現場の現況について学びました。
【豊島のこころ資料館】豊島事件の闘いの歴史について学ぶ様子
豊島で起きた不法投棄事件は、発生から約40年たった今でも終わっていません。(※2) NGPは今後も瀬戸内オリーブ基金(※3)、岡山大学と協力して、「豊島事件」の悲劇を二度と繰り返さないために環境保全・再生活動と3Rの大切さを後世に伝える活動に取り組んでまいります。
※1 過去の「国立公園原状回復活動(岡山大学との植生回復活動)」についてはこちら
https://www.ngp.gr.jp/sdgs/teshima/recovery_univ.php
※2 「豊島産廃問題の歴史」についてはこちら
https://www.ngp.gr.jp/sdgs/teshima/history.php
※3 「瀬戸内オリーブ基金」
自動車リサイクル制定の契機ともなった不法投棄事件が起こった香川県豊島の環境保全・再生活動に取り組むNPO法人(http://www.olive-foundation.org/)