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「第15回 NGP香川県豊島 環境保全・再生活動」を行いました
~岡山大学との第6回目の産学連携による植生回復活動~

2024年6月26日

NGP協同組合では、2024年5月30・31日の2日間、香川県豊島にて環境保全・再生活動を行いました。第15回目となる今回は、前回に続き「岡山大学大学院環境生命科学研究科の嶋教授との産学連携による豊島植生回復活動」(※1)と、「柚の浜の荒廃地整備」、「見学道の整備」、「不法投棄現場見学」を主な活動として行いました。
また今回は、SDGsの取り組みを波及させ、持続可能な社会の実現に向けて組合内に活動の輪を広げることを目的として、組合員会社の従業員に幅広く活動募集を行い、総勢25名が参加しました。

●岡山大学との産学連携による植生回復活動
前回2024年2月、岡山大学が豊島の植生回復の研究をしている区画で豊島に元々自生している植物の種子を研究区画に撒き、成長過程を観察していく作業を共同で行いました。

今回の作業は、前回作業した場所の植生を促すためと、作業範囲を広げるために枯れた松の木を除去する作業と雑草を刈る作業を行いました。範囲を広げた場所には前回同様に「表土撒き出し法」を行い、1年目に種子を撒いた場所、2年目、3年目に種子を撒いた場所と、植生回復の経過が分かるようにしていく予定です。

研究区画の枯れた松を除去

研究区画の枯れた松を除去

研究区画の枯れた松を除去

研究区画の雑草を除去

研究区画の雑草を除去

研究区画の雑草を除去

また、研究区画内に植えたコバノミツバツツジに「たい肥」を撒く作業も行いました。コバノミツバツツジは豊島に自生するツツジですが、非常に弱いため岡山大学で植生回復の一環として、コバノミツバツツジの種から苗木へと育成し、その苗木を一年間、地元の小・中学校に預けて毎日水やりをしてもらい、植樹する活動を行っています。

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して「たい肥」を与える

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して「たい肥」を与える

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して「たい肥」を与える

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して「たい肥」を与える

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して「たい肥」を与える

<産廃処分地展望台の整備>
産廃処分地の近くには現場を見下ろせる展望台があり、見学コースにもなっていることから多くの方が訪れます。今回の作業は、展望台からの視界を妨げている雑草の除去と、展望台に上るまでの階段横の整備を行いました。階段横については、今後も整備を続け豊島に自生している植物を植えることを予定しています。

展望台での雑草除去作業

展望台での雑草除去作業

展望台での雑草除去作業

展望台に続く階段横の整備

展望台に続く階段横の整備

展望台に続く階段横の整備

嶋教授は、
「ここは、小学生をはじめ多くの見学者が通ります。階段の横には豊島に自生していた植物、コバノミツバツツジなども一緒に植えて、元々はこれだけの植物があったということを示したいと思っています。言葉で『豊かな自然がここにはあった』と言っても、今はどこにもないのですから。」と語っており、以前より本研究の成果が豊島の産業廃棄物不法投棄現場の植生回復の見本になれば、との想いで活動を続けています。

●「柚の浜」荒廃地整備
今回は2023年4月に活動した場所で、前回荒廃地の整備をしたことで松の木が育ち始めていました。この松の木を「柚の浜」の海岸とオリーブ畑の間に移植して防砂林として活用する話をオリーブ基金事務局より相談を受けており、その準備として成長途中の松の木の周りの雑草を除去しました。厳しい暑さの中ではありましたが、将来的にはオリーブの育成にも関わる重要な作業となりました。

松の木を傷つけないように雑草を除去

松の木を傷つけないように雑草を除去

松の木を傷つけないように雑草を除去

作業前

作業前

作業後

作業後

●不法投棄現場見学
今回は、初参加のメンバーが7名で、「豊島事件」※2と活動の意義について正しく理解してもらうため、見学会を実施しました。
不法投棄を起こした業者の元事務所を活用した「豊島こころの資料館」では、廃棄物対策豊島住民会議の安岐事務局長より「豊島事件」の歴史や、当時の悲惨な状況、住民が一丸となって戦ったことなどを、当時の写真や産廃(シュレッダーダスト)の剥ぎ取りを実際に見て、聞き「豊島事件」の歴史と不法投棄現場の現況について学びました。

豊島事件の闘いの歴史について学ぶ様子

豊島事件の闘いの歴史について学ぶ様子

豊島事件の闘いの歴史について学ぶ様子

【豊島のこころ資料館】豊島事件の闘いの歴史について学ぶ様子

【不法投棄現場】現場の今の状況を知る

【不法投棄現場】現場の今の状況を知る

豊島で起きた不法投棄事件は、発生から約40年たった今でも終わっていません。(※2)
NGPは今後も瀬戸内オリーブ基金(※3)、岡山大学と協力して、「豊島事件」の悲劇を二度と繰り返さないために環境保全・再生活動と3Rの大切さを後世に伝える活動に取り組んでまいります。

コバノミツバツツジの周りの雑草を除去して

※1 過去の「国立公園原状回復活動(岡山大学との植生回復活動)」についてはこちら
https://www.ngp.gr.jp/sdgs/teshima/recovery_univ.php

※2 「豊島産廃問題の歴史」についてはこちら
https://www.ngp.gr.jp/sdgs/teshima/history.php

※3 「瀬戸内オリーブ基金」
自動車リサイクル制定の契機ともなった不法投棄事件が起こった香川県豊島の環境保全・再生活動に取り組むNPO法人(http://www.olive-foundation.org/)

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